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実習の2つの柱:ブリージング・エクササイズとダルシャナ

ヨーガ療法の実習は、単なる運動指導ではありません。

呼吸への働きかけと対話による自己理解という二つの柱を通じて、心身をまるごと調整し、人格そのものを練り直すプロセスです。

 

🫁 ブリージングエクササイズ


呼吸は、心と体をつなぐ最もシンプルで強力な「スイッチ」です。

現代人の多くは、無意識に「浅く・速く・乱れた呼吸」を繰り返し、自律神経を常に緊張モードに傾けています。
 

ブリージングエクササイズは、この呼吸パターンを意識的に整えることで、次のような効果をもたらします:
 

  • 自律神経の安定化
     深くゆるやかな呼吸は、副交感神経を活性化させ、緊張・不安・不眠をやわらげます。
     同時に交感神経とのバランスを取り戻し、「休む力」と「活動する力」を自然に切り替えられるようになります。
     

  • 神経可塑性の促進
     呼吸を調整する反復的な実践は、脳と神経回路のつながりを作り直す働きを持ちます。
     慢性的ストレスやトラウマで固まった神経パターンが徐々に変化し、心と体の反応そのものを新しく学習し直すことが可能になります。
     

  • 感情調整と集中力の回復
     呼吸を整えることで大脳辺縁系(感情脳)と前頭前野(理性脳)の結びつきが強化され、イライラ・落ち込みに巻き込まれにくくなります。その結果、気分や集中力の回復にも直結します。


ヨーガの叡智は、すでに数千年前から「呼吸は心の鏡」と説いてきました。
現代科学が明らかにした自律神経や神経可塑性の知見は、それを裏づけています。
 

👉 ブリージングエクササイズは、単なるリラックス法ではなく、心身を再調律し、人格=日常に向き合う態度そのものを変えていく実践なのです。

👥 ダルシャナ(面接・対話)

 

ヨーガ療法において欠かせないもう一つの柱が ダルシャナ(面接・対話) です。


サンスクリット語で「見る」「直視する」を意味するこの語は、聖典の中では「師と弟子が真理を映し合うまなざし」としても用いられます。

ヨーガ・スートラ第1章41節にはこう記されています:

 「心が静まり、純粋で透明になったとき、知る者と知識と対象が一つに溶け合う」

この「静まった心」が生まれる場こそ、ダルシャナです。

ダルシャナの役割

  • 自己洞察の扉を開く
     対話を通じて、自分のパターン・感情・信念を「映し返してもらう」ことで、今まで見えなかった影が明らかになります。
     

  • 言語化による治癒
     「言葉にする」ことは、それ自体が脳神経の再編成=神経可塑性を促します。
     漠然とした不安や苦しみを言葉に置き換えると、曖昧な闇に形が与えられ、扱えるものへと変化していきます。
     

  • 関係性を通した変容
     安全な場で他者に受け止められながら語ることは、孤立や自己否定を溶かし、人格そのもの=日常の態度を変える力を持ちます。
     

聖典と現代科学の架橋

  • 聖典は「真我(アートマン)と向き合うために、心の働きを観察せよ」と説きます。
     

  • 神経科学は「言語化が感情脳(扁桃体)の過活動を鎮め、前頭前野との連携を強める」と明らかにしています。
     

 👉 ダルシャナは、古代の智慧と現代科学が出会う場所

 それは単なるカウンセリングではなく、真理に向き合い、癒しと変容と成長を同時に促す
​ “対話の修練”
なのです。

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柔らかな光に照らされて咲く蓮の花。Yoga Lotusの象徴である癒しと再生のイメージ
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