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h1野菊の墓

h2伊藤左千夫

h3後のちの月という時分が来ると、

h4どうも思わずには居られない。

h5幼い訣わけとは思うが何分にも忘れることが出来ない。
h6もはや十年余よも過去った昔のことであるから、

段落1 細かい事実は多くは覚えて居ないけれど、心持だけは今なお昨日の如く、その時の事を考えてると、

段落2 

悲しくもあり楽しくもありというような状態で、忘れようと思うこともないではないが、

​段落3

寧むしろ繰返し繰返し考えては、夢幻的の興味を貪むさぼって居る事が多い。

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